• 甘くほろ苦き思い出もこの飯つぶで封じるべきか。いやいやその思い出もまた宝物。

  • 飯粒の一つ一つに宿るもの。改めて農の大切さを一粒の米が語る。

  • 例え明日という日が来なくても母は明日の米を研ぐ。母の背中に癒されて。

  • そういえば私の祖母も。大切にするというより尊いものそれは飯粒の一つひとつと教えたのか祖母。

  • 路地にも届くそれぞれの母さんの声たち。子らのいなくなった路地が一気に暮れて。

  • 嬉しさも悲しさも家族5人で分け合って。当然一ぱいの飯もまた。

  • ほっぺについたご飯つぶもおろそかにはできぬ大切なお弁当。

  • 振り返ればパンのみに生きた時代が確かにあった。その日があって今が。

  • このほっぺについたご飯粒。たらふく食った幸せの証しでもある。しばし、昼寝でも。

  • 体のどこもが欲しがっている塩むすび。母さんの手のひらの味だ。

  • あの頃はまるで戦そのもの。ゆったり食べてなどおれぬ。一升炊きの出番は恐らく来月の追善供養の日か。

  • せめて宴会のこの食べ残しはガザの地へ送ることはできぬのか。痩せたこの子に罪はないものを。

  • とっておきの晴着は食えず。やはり生きてこその文化の時代が80年前。

  • 握り飯にも家庭の味が。我が家の味、母の味を再発見して青い空。

  • どんな高級な着物を持っていても食えてこその時代。着物が米であったならの時代。

  • 米の字を分解すれば八十八の手間となる。米を研ぐ度キュッキュッと鳴る厨。

  • 一日を二合で暮らす犬と私。今日も無事でと仏飯を上げ手を合わす。

  • あのころむかごで足し増しした零余子飯。今頃になって急に食いたくなり候。

  • ドアの向こうに決まった時間ににぎり飯。エールを背中で受けた午前2時。

  • 何度食っても腹が減る。伸び盛りとはそんな年頃のこと。それもまた身体の貯金期。

  • 米の値段が高いといっても松茸には到底及ばぬ。せめて匂いだけでも。

  • そんな昔もあったのに。だんだん遠くなる昭和をしばし懐かしむ。

  • そんな昔ではない80年前の話だ。何でも食った。食い散らかした食卓に一言。

  • あの頃はしゃもじに付いた飯粒さえも。残った冷や飯がまた嘆く。

  • 戦争を語れば食い物にたどり着くことの悲しさ。そんな経験があればこそ。

  • 政の無策は棚に上げ。そんな簡単なことでは。農を語ろう夜明けまで。

  • 伝来のご先祖さまからの田畑があればこその収穫にただただ感謝するのみ。

  • 今年は鳥の被害も少なかった。米も値上げがあるという。かかしもどこか嬉しそう。

  • 収穫の米は確かに汗の代償と言えなくもない。その証拠に輝く米の粒たち。

  • 米価高騰。すみません仏様、一緒に辛抱してくださいと鈴の音。